医師や役人は我々を騙す



無意味な伊勢志摩サミットも終わり、
引き続きGPIFによって、経団連の役員たちの会社の株が主に買われています。
そんな「いかさま」相場は、そのうち「見えざる手」によって抑え込まれるでしょう。

Bloombergの記事(ビル・グロース氏:FOMCの利上げ、6月はない-雇用統計受け)によると、
6月の利上げはないようです(粉飾失業率がばれてしまったようですね)。

また次のメインイベントである英国のEU離脱の是非を問う国民投票(6月23日)まで日にちがありますので、
ちょっと今までとは違う話題を長文ですがお付き合いのほどを。

 

さて、おしどりマコ&ケンという吉本芸人を知っている人はどれだけいるでしょうか?

おそらくは日本で一番、福島第一原発事故に関する情報を知り尽くしている人たちです。
そんなコンビの映像を2年ぶりに見たら、
初めて聞くことばかりだったので紹介したいと思います。
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漫才協会さんより

 

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世の中には「社長会」なる集まりがあり、
各地域の社長さんたちは、若手芸人が遠征に来たときは、
「社長会」の人たちで分担して、食事や宿、飲み会の費用などを世話しています。

例えば吉本興業の「あなたの街に住みますプロジェクト」の福島県担当の「ぺんぎんナッツ」さんは、
復興への期待からか、特に「社長会」から可愛がられているそうです。

ぺんぎんナッツ
3322
吉本興業HPより

しかし前述のおしどりマコ&ケンさんたちは、
福島県の「社長会」からは、むしろ嫌われているのです。

なぜなら、福島の本当の放射能に関する情報を発信されてしまうため、
「観光」「物産」「住宅」などの経済にマイナスとなるからです。

ただでさえ、福島県からは若い女性の流出が止まりませんから、
人口の減少→景気の衰退へと向かうことを阻止するため、
できるだけ放射能の話題には触れて欲しくないのです。

若い女性が逃げて行く原発事故5年目の福島
2016/03/28(月)

それではその映像の中から重要な部分だけ抜き出します。
(2016年5月17日講演会)

(33:48~)
低線量被曝のモラルという本がありまして、これ東京大学の先生たちが出した本なんですけどね、何がビックリしたかと言いますと、2011年7月8日に東京大学緊急討論会「震災、原発、そして倫理」というのがあったんですけど、その書き起こしが本の中に入ってるんですね。で、2年後にこの本を買って読んでビックリした。それは何かというと、2011年7月の段階で、東京大学中川恵一先生というお医者さんがですね、放射線アドバイザーとして、福島県とか飯館村とかに結構入っている方なんですけども、2011年7月の段階で、「福島第一原発からは大気中に1ベクレルも出ていない」と言い切っているんですよ。ビックリして。で、他の東京大学の先生が「中川先生、その根拠は何ですか?」って聞くんですよ。そしたら中川先生は「えー、僕には原子力工学の友人が沢山いまして、彼らから聞きました」って言うんですよ。まさかのソース(根拠)は友人だったというね。で「でも、僕の話しを疑っているなら、ちゃんと(東電の)ホームページを見ればいい」と。「ホームページを見たら様々な数字が出ているから、確認できますから。もう今の段階では大気中に1ベクレルも出ていません」って討論会で言ってたんです。で、その書き起こしが入っていて。でね、2011年7月の(東電の)ホームページを見たら、私が3ヵ月かかって引き出した「10億(ベクレル/毎時)放出してございます」って情報が出てるんです。だからその東京大学の先生は「ホームページを見ろ」と言いながら、(自分では)全然見てなかったというね。それが今も福島の放射線アドバイザーなんだよね。

(39:00~)
2015年12月の時点で1~4号機まで含めて、大気中に57万(ベクレル/毎時)放出しています。

(41:35~)
2011年3月15日13時~17時までは800兆(ベクレル/毎時)です。3月25日0時~26日11時までは2.5兆(ベクレル/毎時)です。4月4日9時~6日0時までは2900億(ベクレル/毎時)です。

(1:12:55~)
新潟県の泉田知事の技術委員会が今年それを引き出したんですよ。東京電力はマニュアルで3月14日には、もう1号機だったかな?3号機のどっちがどっちか忘れましたが、燃料55%と30%が溶けて(損傷して)いたという情報があって、もう2011年3月14日の時点で本当は「メルトダウン」って発表ができたのに、「わかりません」って2ヶ月言い続けて、(2011年)5月になってるっていうね、発表が。それを泉田さん(新潟県知事)が引き出した。あのぅ新潟県の技術委員会が。それで東京電力は柏崎刈羽原発を動かしたいので、それでそのぅ、泉田さんが「柏崎刈羽原発を動かしたいなら、福島第一原発の事故が起こった知見を、反省して新潟県にも全部教えろ」と。新潟県に福島第一原発事故の検証委員会があるんですよ。で、それがね、本当は原子力規制庁とか原子力保安院とか、今までも国会事故調査委員会とか政府事故調査委員会とかありましたけど、本来、そこでちゃんと追求して出てくるような情報が、新潟県しか、いま引き出せていないんですよ。

(1:15:12~)
東京電力が本当は今年(2016年)の4月に柏崎刈羽原発の使用前検査だったかな、何か立ち入りの検査をしたいって言うので、ずーっと資料のやり取りをしていたのですが、急に(東電側が)「4月に検査しなくていいです。資料間に合いません。その代わり、秋以降に、11月以降とかにさせて下さい」みたいに東京電力が言ってきたんですって。今まで東京電力は「柏崎刈羽原発を早く動かしたい」って何度も言ってたのに、突然、急に、話しが半年ぐらいポーンって伸ばしてきて。それなんでなんですか?って聞いたら、「それはね、柏崎のしゅり(?)が、僕の想像だけどって仰っていて、これで多分当たってるんじゃないかって思うんだけどって仰ってたけど、今年(2016年)の10月に県知事選があるんですね。だから泉田知事が代わるかも知れない。そうなると(新潟県の)技術委員会が結構骨抜きになるんですよね」と。なので急に、柏崎刈羽原発の検査を秋以降に先延ばししたんだろうって。

(1:29:33~)
OECDの話しをしましょう。で、私、原子力推進側のシンポジウムとか学会とか潜り込んで、懇親会とかシレっと参加するの得意なんですけど、あのぅOECD/NEAという経済協力開発機構/原子力機関のシンポジウムが2012年に東京大学でありまして、日本でやってるんですけどね、参加してるのみんな外国の方々で、みんな英語なんですよ。英語で発表して、英語で質問するっていう感じだったんですけど、これ、報道で来てるの読売新聞”おしどり”だけだったんですよね。で、3日間、朝9時から18時までの会議で、読売新聞は初日の午前中で帰ったんで、3日間取材したのはうちらだけでした。
で、3日もずっと缶詰め状態で、いろんな人たちと顔を合わせていたんで、さすがに仲良くなるんですよね。で、「この2012年の国際シンポジウムの本当の目的を教えてあげようか?」って国立の研究者、日本の方ですよ、から言われて、「どういう記事を書くの」っていう話から「本当の目的を教えてあげる」って言われたんですよね。

「このシンポジウムの本当の目的はね、福島の事故が起きるまでは、原子力発電所は事故が起こらないという前提でセールスをしてきた」と。で、「事故が起こってしまったけど、でも世界にあと50基の原発を作ることが既に決まっていて、じゃあ、どうセールスをするかといったら、原発事故が起こっても大丈夫だと。福島の人たちは自分の手で除染をして、そして住み続けるという選択を自らしたと。それを世界に発信するための会議なので、それを踏まえて記事を書いてね」って言われたんですよ。もうビックリして。で私ね、一言一句それをそのまま「・・・それを踏まえて記事を書くようにと言われた」と記事を書いたんですよね。そしたら名刺交換してるから、さすがに怒って、「なんであんなこと書くんだ」ってメールが来たんですよ。で、「貴方に書けと言われたからです」って返事して、そしたら「そんな意味のことは言ってない、そんなこと言ってない」って、メールが来たんですよ。で、「分かりました、貴方が本当は何をおっしゃっていたのか、私、IC(音声録音)で音源全部録ってるんで、確認します」ってメールして、しばらくしてから、「あれ?全てこの通り仰ってましたよ」って返事をすると、何も返事は返ってこなくなりましたけど。
で、その一人(国立の研究者)にそれを言われて「本当かな?」と思って、すごくショックだったんで、様々な原子力学会とか、IAEAの国際シンポジウムとか、色々なところで仲良くなった方に「私ね、あの人にこんなこと言われたんですけど、本当ですか?」って聞いていったんですよね。そしたら「彼の言っていることは本当だよ」と。「そういう目的で動いている人たちもいるよ」って教わりました。

で、もっと酷いことも教わって、「長崎と広島に原爆が落ちた日本だからこそ、被ばくの恐ろしさを分かっている日本だからこそ、原発事故の汚染を受け入れることを発信するのは、原子力業界にとっては、とても意味のある事なんだ」と言われて、とてもショックだったんですよね。ほんとに(福島の方達が)利用されてるよね。

(1:34:05~)
今年(2016年3月)、処分場の取材をドイツにしに行ったんですよね。そしたら(ドイツの)放射線防護庁の原子力工学の博士に突然言われたんです。「原子力のことはすべて、みんなが参加して考えて行かないといけない問題だ」って。その話の時に「民主主義って知ってるか?」って言われたんですよ。そして「ドイツは第二次世界大戦の時にヒットラーを、ナチスを生み出してしまったんだ。ということは、民主主義における選挙というのは、おろかな民が選挙をすれば、おろかな代表を選んでしまうんだ」と。「民主主義というのは市民が勉強をして、常に学び続けて、何が正しいのか、何が最良の選択なのかを考え続けて行かないと、駄目なんだ」と。「そうでないと、おろかな民の代表はおろかなんだ」と。

(1:35:33~)
原発事故だけでも大変だと思ってたのに、その後安倍政権になって、特定秘密保護法とか安保関連法とか、TPPとか、色々様々な、ね、憲法改正ね、今年、憲法変わるかもしれないじゃないですか。様々な問題がどんどん出てきて、ほんと原発事故だけでも大変なのに、でも私、取材をしてきて、きっかけは全部原発事故だと思うんですよ。それからすごく世の中が変わっていった。なぜかというと、原発事故の被害総額がものすごくて、国がひっくり返るかもしれないからなんですよ。ここ、だいぶ端折りましたけどね。チェルノブイリの原発事故と、その財政を調べたときに、ほんとに旧ソ連が大ダメージ(チェルノブイリ事故が1986年、ソ連崩壊は1991年)を受けていたので、じゃあ福島第一原発の被害は日本にどれくらいダメージを与えているのか、被害総額がいったいどれくらいなのかというのを取材して計算し始めたときに、やっぱりものすごい事だったんですよ。なので、もう国が傾かないために、原発事故の汚染はなかったことにして、できるだけ賠償額とか被害総額を抑えたいっていう状況になっていて、そのために色々な強硬策に出ていて、どんどん行こうとしてるんだなっていうのは、すごく取材してて感じます。

ドイツで「おしどりマコ&ケン」を伝えるドイツテレビ

 

「福島の人たちは自分の手で除染をして、そして住み続けるという選択を自らした」と世界に発信したがっている国立の研究者は、
リンク先によれば、国立保健医療科学院の「ヤマグチ」研究員だといいます。

国立保健医療科学院のHPから「山口」さんを検索すると、
生活環境研究部に「上席主任研究官」として「山口一郎」さんがヒットしました。
https://www.niph.go.jp/soshiki/09seikatsu/yamaguchi_info.html
ここには「放射線リスク対策だけではなく、コミュニケーションも」とありますので、
「なるほど」と、一人で納得してしまいました。

医師にしても役人にしても、
お上の言うことは信用できないということです。
おー怖。

 

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