金はドル建てが基本ですから、
日本における価格の推移を予想する場合は、
輸入品として考えます。
円高になれば、
輸入品を安く買うことができるため、
日本円で買う場合の金価格も安くなります。
逆に円安になれば、
輸入品は高くなるため、
日本円で買う場合の金価格も高くなります。
金価格は昨年より1月中旬まで4,500円/g程度の横ばいでした。
それが2016年1月29日のマイナス金利の発表で円安となり、
それにより金の輸入価格が上がるため、
2月5日の時点で4,728円/gまで上がりました。
その後、円ドルは年初の120円から117円まで円高となりましたが、
金の価格は下がるどころか、さらに値を上げ、
2月に入ると4,800円近くまで上昇しました。
黒田バズーカ第3弾のマイナス金利によって、
日本の民間銀行は日銀にお金を預けているだけでは、
お金が減っていくことになります。
しかも、黒田バズーカの玉の数は無限に増えたことになり、
効果が現れるまで、次々とマイナス側への金利を増やしていきます。
(今までは限りなくゼロに向かっていただけですが、今後はマイナス側へいくらでも率を増やすことができます)
今はマイナスの率が低いため銀行も余裕ですが、
これから長期的なマイナス金利が続き、
更なる第4弾、5弾とマイナス金利が増えるでしょうから、
銀行はボディーブローのように足元がぐらついてくるでしょう。
政府や日銀の目論見は、
民間銀行が日銀へ預けたくない(減らしたくない)余ったお金を、
中小企業や個人への貸し付けに向けてもらう(設備投資や起業)つもりでいますが、
まだまだ記憶に残っている「バブル」時代の無鉄砲な投資に融資して焦げ付いた不良債権。
そうさせないためにも、銀行は融資を検討する場合、
今まで以上に細心の注意を払うでしょう。
そこで「民間銀行」が目を付けるのは、
安定資産である「金の延べ棒」です。
お金を日銀へ預ければどんどん減っていきますが、
「地金」に金利は付きませんから、減る心配がありません(保管費はかかりますが)。
複数の銀行が金を買えば、
金の価格は上昇を続け、
銀行の資産は増えていきます。
ということで、今後は「地金」のバブルが起きると見ています。
バブルによって地金(gold)が今の20倍程度(私の予想)となり、
時間差で(遅れて)物価や給料も20倍となるでしょう。
今の円の価値は物価に対して1/20となるわけですから、
庶民の貯金は1/20の価値になってしまいます。
お金の価値は、どこの国でもずーっと価値が下がり続けているのです。
日本では平安時代から銭、文、円と、
どんどんお金の価値は下がってきました。
昭和初期から90年経って、
お金の価値は2,000分の1になりました。
(当時は1円だったものが、今では2,000円かかるということになります)
物価の上昇が2000倍とは言わずとも、
20倍ともなれば、国民の給料も20倍、税金も20倍となり、
国家予算も今の100兆円から2000兆円に上がりますから、
現在の借金である1000兆円など数年で返すことができるようになります。
これってハイパーインフレって言うんですよね。
ロイターの記者もこのように予想しています。
コラム:金が安全資産として輝けない理由
2016年 01月 26日 12:32 JST
「金は恐らくこれからも最後の安全資産であり続ける。本格的な金融のメルトダウンが起きたり、ドルが一転して急落すれば、金に対する需要は回復する可能性がある。もっともそうなると、市場はこれまで直面せざるを得なかった事態よりもさらに恐ろしいニュースに見舞われることになる。」
江戸時代の1両とは金貨の重さ37.5gのことですし、
当時(今から400年前)は1両で一家が食べていけたそうですから、
当時の1両は今の約20万円の価値と思われます。
今のレートで37.5gは37.5g×4,728円/g=177,300円とほぼ20万円ですから、
金の価値は物価に対して400年経った今も変わっていないことになります。
このように、金の価値は変わらず、
お金の価値だけが減っていく一方なのは、
過去を見れば分かることなのです。
ドル建てで見ると、
年始に1,060ドル/オンスだったのが、
本日まで右肩上がりで1,154ドル/オンスと、
約8%以上も上昇してきました。
これらのことを考えれば、遅かれ早かれ、
いつかはハイパーインフレになり、
借金はリセットされるのです。
世界各国はそれを分っているから、
返せるはずのない国債を次々に発行し続けてきたのでしょう。
もう始まっているのか、
それとも何年もかけてインフレになるのか分りませんが、
世界中の国が借金国ですから、
ハイパーインフレで借金チャラを待ち望んでいることでしょう。